TPR(Total Physical Response)とは、リスニング優先の指導法・学習法の一つで、外国語を聴き、体の動きを通して学ぶ方法です。英語圏の国々では一般的な指導方法として、特に英語圏以外の国からやってきた子ども達に英語を教育する際に役に立つ指導法として使われています。この海外では確立されている指導法を、日本の指導現場でもすぐに取り入れやすいように、体系的にまとめたのが本作です。
英語を「聞く」、それに反応して「動作する(話す)」という、母国語を自然に身につけた時と同じこの手法は、小学生のような英語初学者や、英語を苦手としている中高大学生まで広く有効です。 本作では、英語を始めたばかりの生徒に対するアルファベットの指導から、いろいろな品詞の語彙指導、文法指導など、様々な指導のバリエーションをご覧いただけます。
TPRは、黙読時の語彙の処理速度やリスニング、リーディング、スピーキングに対する指導にも効果が認められており、スムーズな小中接続に対する効果も期待できます。
英語を頭ではなく耳で捉えて抵抗無く反応出来るようになる!実際の言語使用場面に近い形で英語がどんどん身についていく!そんな画期的な指導法を、是非、日頃の授業の中に取り入れてみてください!
今回ご紹介するシリーズは、英語教育の早期化に対応するための一つの考え方と具体例を提案するものです。
小学生は身体感覚が豊かな時期です。この時期は、母語同様、無理にアウトプットを急ぐのではなく、しっかりとインプットに浸らせたい、そして身体感覚を通して、指導者と身体で関わり合いながら英語に出会わせたいと考えます。小学校の段階で、わからない単語でも想像しながら理解しようとする態度を育てることが大切です。
今回の作品では、児童の心とからだを動かす指導法であるTPR(Total Physical Response)が使えるいろいろな場面を設定しました。
文字指導、グループ・ペアでのリスニング・スピーキング活動、初見の文字を音声化するリーディングなどの諸活動を紹介します。小学校英語の教科化に当たり、小学校らしさを生かしつつ中学校以降の英語学習につなげる方法としても、きっと役に立つでしょう。
ここで紹介した活動は、あくまでも一つの参考例です。学校や児童の実状に合わせてアレンジを加え、あなた自身の授業づくりに活かしてください!!
※授業内で使用したPPTは、南丹市立胡麻郷小学校の森真祐先生のご協力を得て作成いたしました。